出会い
 早いもので令和3年を締めくくる月となりました。
 振りかえりますとこの年も昨年と同様に新型コロナウイルスによる感染拡大を抑えつつ、出来ることを精一杯行うという試みで通した年でありました。12月3日に行われる明照コンサートもその一つで、数々の制約がある中、試行錯誤しながら開催予定としております。
 子どもたちが楽しめるコンサートを、と考えたときに、15年前に当園の宇宙組から4年間在籍していた卒園児を思い出しました。
 西田翔さん。現在は東京の高校生で、日本を代表するチェロリストです。彼は、今回コンサートを行ってくださる白沢史子先生に幼少期は師事しており、小学生の時から頭角を現して、若き天才チェロリストと名高い青年へと成長されております。彼にとって、5歳の時にチェロに触れたことは、人生をかえるような大きな出会いだったと思います。
 幼児期の教育は環境の教育です。今回の大分チェロ軍団の方との出会いが今後の子どもたちの成長の一助となればうれしい限りです。会場の座席にはまだ幾分の余裕がございますので、興味を持たれた方はまだ受け付けておりますので、どうぞご参加ください。
【理事長 結城 由里子】(令和3年12月)
運動会を終えて
 澄み切った青空の下で令和3年度の運動会が先日行われました。
コロナウイルスによる外出自粛を余儀なくされた夏休み明けでしたから、暑さに不慣れな子どもたちへの熱中症対策や、感染予防等、様々なことを想定して連日職員で話し合いました。出来、不出来ではなく、子どもたちが仲間とともに楽しく、心地よく参加できているか、今までより少し高い目標を達成できるようにするにはどこまで援助すればいいのか、など考えることはたくさんありました。
 限られた練習時間ではありましたが、大人の心配をよそに、当日はどの学年の子どもも、きりっと引き締まった表情で、しっかりとそれぞれの競技をやり遂げることができました。
 自分自身が掲げた目標を達成することで「やり遂げた」「がんばった」という気持ちが今後の生活の自信につながっていくことと思います。
 山を登らなければ平地は望めない、のことわざにあるようにこれからも活動を通して成長していくことを期待しています。
 保護者の皆様、ご家族様におきましては、コロナウイルスの感染予防の徹底、朝早くからの準備、また競技中の進行、片付けに至るまで細部にわたりご協力いただきまして、感謝を申し上げます。
【理事長 結城 由里子】(令和3年11月)
 「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、夜になると虫たちの声が聞こえるようになり、秋の到来を感じます。いつもの新学期でしたら、夏休み中に行った家族旅行など、外出した思い出話に花が咲くところですが、夏休み中も多くの人が自粛生活に身を置いていたようで、家庭で過ごした一場面を細やかにお話してくれて、ほっと心が和みます。
 そのような中で始まった幼稚園ですが、子どもたちは、二学期の大きなイベント、運動会という目標に向かって元気よく活動しています。どの子どもも、さわやかな風の中、仲間と一緒にのびのびと体を動かして、友だちと切磋琢磨している様子が見受けられます。運動会に限らず、日々の生活や幼稚園での行事等、お友だちや先生との関わりやご家庭での声掛けなどから、子どもたちが「してみたい、やってみよう」と子どもたちが主体性を持って取り組んでいけるように働きかけていきたいと思っております。
 相次ぐ気候変動や取り巻く環境の変化に、沈みがちなニュースを耳にすることが多くなりましたが、子どもたちには笑顔ですごしてほしいと思います。
 今夜は中秋の名月(芋名月)。ご家族で空を眺めてみてはいかがでしょうか。雲のすきまからのぞく月が見えることを願っています。
【理事長 結城 由里子】(令和3年10月)
ミミズ、ただ今ダンスの途中
  昨日、年少さんが雨の合間をにぬって「ふれあい農園」へ散策に出かけました。その10日ほど前には年長児と年中児が訪れ、秋に収穫するためのイモの苗を自ら植え付けて、農園での一日を楽しみました。
 畑の中には、ナスやカボチャ、キャベツにタマネギ、さらに珍しいものはブルーベリーの木。農作業中のおじさんに声をかけて、葉っぱや茎など実際に触らせてもらって子どもたちは大喜びです。また、大きな石をA君が腰を入れて持ち上げると、ダンゴ虫やミミズがニョロニョロ出てきて、ふたたび大きな歓声が上がりました。W君がミミズを捕まえようと指でつかもうとしましたが、ミミズもそう簡単につかまりません。「せんせい、ミミズつかまらん」親指と人差し指で慎重にミミズをつかもうとしますが、手のひらで暴れてこぼれ落ちます。
 「わかった!ミミズ、ダンスの途中なんや!」
ユーモラスなミミズの動きに、みんなが笑顔になりました。
 帰り際、農園の方から200個以上の新タマネギをいただきました。子どもたちと相談して、このタマネギを使ってクッキングをすることに決定しました。こうして先日の年長児によるカレーパーティが行われ、各学年で農園の方と年長さんに感謝して、美味しくいただきました。年長さん、ご馳走様でした!
【理事長 結城 由里子】(令和3年7月)
 今年は例年より19日も早い梅雨入りで、雨の日が続きます。うっとうしいと思われがちなこの時期ですが、この雨のおかげで先日鉢植えしたアサガオやヒマワリが早くも発芽し、傘をさして登園する子どもたちを和ませてくれています。
 子どもたちは、各教室も始まり、またクラスのお友だちとも慣れ、気の合うお友だちや先生と生活体験の中からイメージを作り出して日々の遊びを楽しんでいます。子育て支援クラスの子どもたちは、日常生活(食事、排せつ、手洗い等)の習慣を少しずつ身につけ、体を清潔に保つことの心地よさや、みんなで遊ぶ楽しさを学んでいます。
 年少児は、はじめての武道教室や絵画教室等への参加で、今まで経験したことのない新しい出会いに、新鮮な気持ちで取り組んでいます。年中児は、昨年からの遊びがさらに発展して、考える力や集中する力が増し、他者とのかかわり方がとても上手になっています。年長児は、最年長になった自信と園生活のゆとりも感じさせ、遊びの発展がダイナミックなものになってまいりました。先日お配りした年間指導計画にこれらの遊びによるねらいや、教育課程(禪タオ的な計画)を記しておりますので、お時間のある時にご確認下さい。日々の園生活の中では、遊びながら学び、学びながら遊ぶ。このような子どもの成長や発達にとってとても大切な経験を、環境を通して充実させていきたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和3年6月)
自分の速さで
 先日から行われておりましたクラス懇親会は、年少クラスを最後に滞りなく終えることができました。コロナ禍における懇親会ですが、静かな中にも和やかな雰囲気で、皆様と顔合わせができたことをうれしく思います。お天気にも恵まれて、わずかな時間でしたが、子どもたちの戸外で遊ぶ姿も参観していただき、園でのお子様の様子が少しご理解いただけたのではないかと思います。製作などの活動では、周りの子どもたちとつい比べたくなり、「うちの子は遅い」「みんなが踊っているときに一人だけなにもしていなかった」等の相談をいただきますが、心配には及びません。一人一人の興味の対象は異なっているからです。
 「早くいきたければ一人で進め。遠くに行きたければみんなで進め。」
 アフリカのことわざです。我が子の歩みが遅くても、自分の速さで確かな足取りで進んでほしいと思います。お友だちや、周りのかかわりの中で、高く、遠くへすすんでほしいと願っています。  
【理事長 結城 由里子】(令和3年5月)
ようこそ、明照幼稚園へ
 園庭の色とりどりの花が、皆様が来ることを、いまかいまかと待ちわびております。
この度はお子様の御入園・御進級おめでとうございます。
明照幼稚園では、「あかるく ただしく なかよく」を教育理念に置き、大切なお子様をお預かりいたします。ご家庭から物心がついて、初めての社会生活となるお子様もいらっしゃることと思います。  幼稚園で多くの人と関わり、仲間と一緒に楽しく遊ぶことを知り、しっかりとした社会性が身についてゆきます。トラブルもあれど、それは子どもの育つチャンスです。様々な経験を通じてたくましく、大きくなってほしいと願っています。
 また、今年度も新型コロナウイルスの感染拡大が予断を許さない状況です。園では、感染対策の徹底を励行しております。どうぞ、安心されてお子様を送り出されて下さい。
1年間、よろしくお願いいたします。
【理事長 結城由里子】(令和3年4月)
無尽蔵 ~可能性を求めて~
 先日、2月15日は、園児・教職員約250名が本堂に入堂し、涅槃会が奉修されました。
お釈迦様の入滅された命日であります。園では、4月8日(旧暦5月8日)生誕の花まつり、12月8日、お悟りで教えを開いた(35才)成道会、2月15日、入滅された(80才)涅槃会と3回の行事を厳粛に行っています。
 その日は、本堂の仏様にお参り、お釈迦様の法話、パネルシアターと約40分の時間を有意義に過ごします。4学年で静かな時間の中に心のあり方を学ぶわけであります。お釈迦様の生涯を心の拠り所として、生まれることの尊さ、悟りへの願い、限りある命との向き合いを教えています。
 無尽蔵に入る子どもたちの“こころ”は、終わることのない可能性を秘めています。形のある体は、バランスの良い食生活と運動によって成長し、頭の知識は勉強や環境によって磨かれます。一番大切な“こころ”は、教えや信じることで智恵となり、生涯が喜びに変わります。
 園生活も一年の最後となりました。今後、毎日を知り(学ぶ)恵まれる(愛される)知恵によって無尽蔵に心を備えて頂きたいと思います。未来の子どもたちを大切に育て、喜びに満ちた日々を過ごすことを願い、苦しい時も悲しい時も教えの中で喜びや楽しさに変えるだけの“こころ”を育んで下さい。 
【園長 結城 文宏】(令和3年3月)
 生垣の山茶花が、今年も寒さ知らずで満開です。園庭では、子どもたちの元気な声が響き、園内は不思議と温かさを感じるこの頃です。
それでもまだまだ寒い日が続きます。手洗い、うがいを徹底して、感染症対策を引き続き行っていきたいと思います。
 3学期に入り、各学年の園生活も2か月あまりとなりました。様々な活動を通してできることが増え、また、出来なくてもそれに向かって努力する姿が見受けられ、一人一人に目に見える成長を感じます。どんな状況下にあろうとたくさんのことに日々挑戦して、前を向く子どもたちは、たくましく、頼もしく思います。
 当たり前だと思っていたことがそうではなくなった今、今まで気づかなかった子どもたちの育ちや、周りの環境がとてもよく見えるようになってきました。また、学年の垣根を越えて先生たち同士が協力しあい、全体で子どもたちを見ることが出来ることも、この状況におかれたからなのでは、と改めて感じます。今後、残すところの大きな行事の発表会も、合唱の禁止など制約がありますが、出来ることに最善を尽くして行っていこうと考えています。
 先日の年長児のお茶会ですが、そろりそろりと畳の上を歩く子どもたちの背筋がピンと伸び、とても大きく見えました。今年は丑年。そろりそろりと牛の歩みのように遅くとも、一歩一歩確実に、進んでいくことを願ってやみません。
【結城 由里子】(令和3年1月)
【令和2年へ】