成 長
 園庭のマンサクの花が、黄色の花を咲かせ、いち早く春の訪れを告げています。そして、今日も元気よく登園してきた子どもたちの顔が、早春の光に照らされてキラキラと輝いて見えます。
 思い起こせばこの一年、たくさんの経験を積んで、どの園児も大きくたくましくなりました。
四月。お母さんから離れられずに泣いていた宇宙組のRちゃんも、今では、後ろも振り向かずに自分のお部屋へ向かいます。二学期。雨の日のラクテンチで、トイレに行ったおともだちの荷物をそっと持ってあげたやさしいSちゃん。そして三学期。年少児のRちゃんは、生活発表会の練習で、カスタネットのリズム打ちがとても上手く、楽器が大好きになりました。また、未だ練習中の鉄棒の前で手のひらにこさえた「がんばりまめ」をみせてくれた年長児のAちゃん。さまざまな思い出が目に浮かんできます。
 このように明るく、素直で、がんばりやの皆さんのことを、私たちは誇りに思います。卒園式、修了式までの日々を、一日一日大切に過ごしていこうと思います。
 保護者の皆様には園への深いご理解と、たくさんのご協力を賜りましたことを、職員一同、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
【理事長 結城 由里子】(令和6年3月)
協 同
 早いもので、学年末を迎えました。
 子どもたちは、もうすっかり慣れ親しんだクラスのお友だちや先生と、それぞれが思い思いの遊びを行っています。どの学年の子どもたちも堂々となり、自信にあふれた表情が目にうつります。 
また、冬休み中の絵画展では、子どもたちの個性あふれる絵画や制作に、多くの方が園へ来られました。歌声発表会では、身体を使って大きな声で歌う子どもたちをお家の方が食い入るように見つめ、たくさんの拍手をいただき、天井が高く広い会場のホルトホールが、狭く感じられるほどの熱気に包まれていました。そのほかにも、年明けに年長児による茶道教室の集大成としてお茶会も開きましたが、和やかな空気感の中で、子どもたちとご家族の息ぴったりな間合いの取り方に、皆が笑顔になりました。
 禅の言葉に「啐啄同時(そったくどうじ)」とありますが、まさにその通りで、あらゆる場面でこの状況が見受けられます。鳥のヒナが卵から生まれ出ようと殻の中から殻をつついた音を聞き、親鳥がすかさず外からついばんで殻を破る手助けをする、その様と今の子どもたちとご家族の関係が相重なるのです。
残り少ない3学期ですが、子どもたちを中心に、「やってみたい!」と言った時にそのタイミングを逃すことのないよう、保育者とご家族と協同の力で過ごしていくよう努めてまいります。
【理事長 結城 由里子】(令和6年2月)
為せば、成る
 秋を通り越して、いきなり冬到来といったような気温差で、体調が優れない子どもたちが多くみられます。園の方でも、うがい・手洗いといった基本的な感染予防に加えて、部屋の消毒や加湿器等で、空気の乾燥を防いで感染防止に努めていこうと思います。
 さて、先週は年長児のサファリごっこ、年少児は七五三、そして今週は年中児のお店屋さんごっこ、など子どもたちの様子をお家の方にみていただいております。
 先日も、年長児の体操教室にYちゃんのお母さんが参観に来てくれておりました。体操教室は跳び箱を行い、Yちゃんも何度も跳び箱にチャレンジしていました。自由遊びなったとき、いきなりYちゃんがお母さんの手を引いて、鉄棒へと向かいました。Yちゃんは、おもむろに鉄棒に手をかけて、ゆっくりと逆上がりをしました。
 私は、運動会の時期に、仲の良いお友だちがくるくると器用に逆上がりをしている姿を、ちょっぴり羨ましそうに見ていたYちゃんを知っています。あれからひと月ほどで、逆上がりをマスターしたYちゃん。感動とともにびっくりしている私に、Yちゃんのお母さんが「鉄棒で遊んでいるときに、逆上がりができているお友だちから刺激を受けて、YouTubeを見ながら、ずっと練習していたんですよ。」と、嬉しそうに話してくれました。そうか、あのときの悔しかった気持ちをバネにして、頑張ってきたYちゃんなんだ。逆上がりが出来たときは、どんなにうれしかったことでしょう。
 Yちゃんが、子どもたちの大きな大きな可能性を身をもって教えてくれました。
【理事長 結城 由里子】(令和5年12月)
虫のこえ
 秋晴れが続く今、子どもたちは連日、園外保育へでかけています。宇宙組さんは公園へドングリ拾い、年少さんは七瀬公園、年中さんはラクテンチ、年長さんはアフリカンサファリへと園バスに乗ってそれぞれが出かけます。
 中でもラクテンチ遠足の年中さんは、朝からあいにくの雨模様でした。雨合羽での出発となりましたが、荷物を下ろしたころには雨もあがり、ゆっくりと見学ができました。ウサギ、ニワトリ、ヒヨコなどの小動物へのエサやりに加えて、もうかなりご年配のテナガザルのキナコちゃんとチョコ君の愉快な動きに満喫して、昼食となります。
 昼食会場の広場への道すがら、Y君が、黄緑色の葉っぱに、保護色となっているウマオイを見つけました。「せんせい、ビニール袋貸して」と急いで走り寄るY君。虫かごを持っていなかったのでとっさにビニール袋へ空気を入れて、ウマオイのお部屋にしました。それからY君たち数名の男の子が、次々と虫たちをみつけ、あっという間に袋に6匹!傍にいても気づかないほどの虫たちを、いとも簡単に見つけ出す子どもたちの感性に感心しました。帰り際、何度も袋の中を確認して虫たちを大切に持っていたY君。
 さて、いよいよバスに乗り込むその瞬間、「せんせい、あそこにバッタが!」確かに、柱のてっぺんに静かにとまっているバッタが!子どもたちには、私たちには気づけない、虫たちのささやきが聴こえているのかもしれません。
【理事長 結城 由里子】(令和5年11月)
エンジョイ!わくわく運動会
 陽にやけた子どもたちの表情が、たくましくみえる新学期を迎えました。
 2学期は、様々な園外保育やお芋の収穫など、楽しみにしている行事がたくさんあります。その中でも運動会は、大きなイベントです。それぞれの学年が年齢に応じた種目を、クラスのお友だちと毎日練習に励んでおります。宇宙組は、日ごろ行っているリトミックの延長で、音楽に乗って思い思いに体を動かし、みんなでリズムを楽しんでいます。年少組も徒競走やアップテンポなリズムに挑戦しています。年中組のバルーンはお友だちと息を合わせた演目に仕上がってきています。リレーのバトン渡しの練習では、なかなかバトンが繋がらなかったり、手渡すはずのお友だちを間違えたりと、アクシデント続きですが、はたして当日はいかに・・・。また年長組は鼓隊の練習に熱が入っております。
 いずれの学年も、「できた、できない」という、結果を重視せず、「できるようになる」という、それまでの過程を大切にして、自ら運動会へ参加するように援助しています。
 ご家族皆様で、いい汗をかく絶好の一日となりますよう!
お家の方々もがんばる子どもたちに温かいご声援を、宜しくお願いいたします。
【理事長 結城 由里子】(令和5年10月)
 梅雨の合間の良いお天気を利用して、プール開きを行いました。
どの学年の子どもたちも、大歓声でしぶきをあげて楽しむ様子が見られます。「宝物探し」で水の中から拾い上げた宝物を、大切に握りしめた満足気な顔は、一人ひとりのその瞬間を、保存しておきたいほど満面の笑顔です。
 昨年、ある卒園児のお母様から、「先生、クラス便りはとても中身が濃くてそれぞれ子どもたちの様子もわかり、ありがたい限りですが、丁寧にたくさん書いている字は構えて読まなければならず、また先生方の大変さが伝わってきます。もしたくさん写真を撮っているなら、それを掲載してもいいと思います。」という貴重なご意見をいただき、4月からクラスだよりを、写真を中心とさせていただいております。楽しそうな子どもたちの表情や、ご家庭では見られない姿など、たくさんの言葉よりも、その時の状況や子どもの育ちが伝わります。それらを通してお家の方と子どもたちで、園での様子を聞いたり、お話するきっかけになっていただけると嬉しいです。
 
 園での子どもたちの姿を「見える化」するために、写真や動画がとても心強いツールになると考えます。
 今後、様々な場面で、その瞬間しか見られない場面を、機会あるごとに写真や動画等でもお伝えして、保護者の皆様と共有できるように工夫していきたいと考えております。また追ってお知らせいたしますのでご理解の程お願い申し上げます。
【理事長 結城 由里子】(令和5年7月)
外遊びを中心に
 先日のお見知り遠足では、晴天に恵まれ、お友だちや先生方はもちろん、ご家庭の方々とも交流でき、親睦が深まったことと思います。ご遠方の所へ足を運んでいただき、ありがとうございました。
 また、近々の園外保育としては、各学年で園バスに乗り、ふれあい農園へ秋に収穫するお芋の苗つけに行きます。お友だちとバスに乗ってのお出かけは、ドキドキワクワクの体験になることでしょう。日頃周辺では見かけなくなった、カエルやミミズと遭遇したり、チョウチョを追いかけたりして自然と触れ合ってきます。
 梅雨入りも間近になりますから、今のうちにお日様の恩恵を受けて、思いきりのびのびと、水遊びや泥遊びの充実を図り、水の感触や土の手触りを、肌で感じてもらいたいと思います
【理事長 結城 由里子】(令和5年6月)
新しい生活習慣
 新緑が目に眩しい季節になりました。入園、進級から2週間たちましたが、今年の新入園の子どもたちは、大変落ち着いた園生活を送っています。
 特に年少さん。例年、園の中をクラスごとに探検し、危ない場所、立ち入りできないところなどを確認しながら外遊びを開始いたしますが、子どもたちの理解度が早く、早速2日目で外遊びを始めています。年長児が捕まえたたくさんのダンゴムシを、虫かごのなかに入れている様子を見て圧倒されたり、年中児の滑り台を順番に滑る姿を見て並んでみたりと、すっかり園生活に馴染んだ様子です。また、未就園児クラスの宇宙組さんも、先生たちとともに、砂場遊びを中心に種々の遊びに集中しています。
 それぞれの子どもたちがすんなり園生活に馴染めましたのも、ご家庭での生活習慣がしっかりされているからだと思います。園でたくさん遊び、夕食を好き嫌いなく食べて、夜はしっかり寝る、そうすると朝からお腹がすいて朝食もかかさずたべることになり、日々の生活習慣が整います。特に十分な睡眠には、身体の成長や免疫機能を高め、情緒が安定するというメリットがあります。
 1ヶ月前、日本中を歓喜させたWBCの大谷選手においては、1日9時間から10時間の睡眠をとるそうです。栄養のある食事と睡眠で、怪我のない徹底した身体づくりを意識しているのでしょう。
 生活習慣を整え、家という安心できる場所から初めての社会である園との「共働」で、これからの時代を生き抜く土台をつくってまいりましょう。
【理事長 結城 由里子】(令和5年4月)
卒園・修了に向けて
 園庭では、つがいのメジロが約束したかのように毎朝やってきて、梅の枝から枝へと飛びわたっています。
かわって、明照の子どもたちは、ますます遊び方も充実して、担任の先生を交えながら、自分のクラスの仲間たちと思い切り遊ぶ姿があちこちで見られます。卒園や進級を控え、子どもたちの昨春からの1年間を振り返りますと、たくさんの場面が思いだされ、感慨深いものがあり、様々な感情が沸き上がります。1年前では見通せなかった活動も、いまはすっかりスムーズに事が進み、子どもたち自身が大きくなったことがうかがえます。
 また、ここ数年の新型コロナウイルスによる行動様式の変化で何かと不自由な思いをしてきましたが、この春以降改善の見通しがたち、社会にも明るい兆しが見え始めています。
 様々な園での活動において、ご不便をかおかけしたことがたくさんありますが、園の行事が円滑に進みましたことは、保護者の皆様、ご家族の皆様のご協力とご理解のおかげであると、深く感謝しています。
そして何よりも私たちは、卒園する子どもたち、修了する子どもたちの、今後の子どもたちの幸せを切に願い、残りの園生活を送ってまいります。ありがとうございました。
【理事長 結城 由里子】(令和5年3月)
一座建立
 寒かったり暖かくなったりと気温の変化が激しく、コロナウイルスやインフルエンザが心配な時期ですが、そんな不安をふきとばすかのような子どもたちの元気な声に、励まされる毎日です。
 そんな中ではありますが、昨日は三年ぶりに、年長児によりお茶会が開催されました。お茶会は初めての経験で、少し緊張気味の子どもたちでしたが、自分に納得がいくまでゆっくりと茶筅を振って、個性豊かなお抹茶が出来上がりました。その、心のこもった丁寧に点てたお抹茶を笑顔で眺めながら、ゆっくりと頂いている保護者の皆様の柔和なお顔を見て、ふと、一座建立の言葉が頭に浮かびました。招いた者と招かれたお客の心が通じ合うと、とても心地よい空間が生まれ、相手を思いやる気持ちが自然と表れる、ということです。
 またそれは、このお茶会のみならず、日頃の園生活において、温かく見守ってくださっているご家族の方々と、そしてそれに応えようとする子どもたちの姿が折々に見受けられ、良い空気、良い空間がおのずとできあがることがわかります。
 子どもたちとお家の方々、そして園と、お互いに共鳴できるこの気持ちを大切に、残りの2ヶ月を大切に過ごしていきたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和5年1月)
【令和4年へ】