新しい生活習慣
 新緑が目に眩しい季節になりました。入園、進級から2週間たちましたが、今年の新入園の子どもたちは、大変落ち着いた園生活を送っています。
 特に年少さん。例年、園の中をクラスごとに探検し、危ない場所、立ち入りできないところなどを確認しながら外遊びを開始いたしますが、子どもたちの理解度が早く、早速2日目で外遊びを始めています。年長児が捕まえたたくさんのダンゴムシを、虫かごのなかに入れている様子を見て圧倒されたり、年中児の滑り台を順番に滑る姿を見て並んでみたりと、すっかり園生活に馴染んだ様子です。また、未就園児クラスの宇宙組さんも、先生たちとともに、砂場遊びを中心に種々の遊びに集中しています。
 それぞれの子どもたちがすんなり園生活に馴染めましたのも、ご家庭での生活習慣がしっかりされているからだと思います。園でたくさん遊び、夕食を好き嫌いなく食べて、夜はしっかり寝る、そうすると朝からお腹がすいて朝食もかかさずたべることになり、日々の生活習慣が整います。特に十分な睡眠には、身体の成長や免疫機能を高め、情緒が安定するというメリットがあります。
 1ヶ月前、日本中を歓喜させたWBCの大谷選手においては、1日9時間から10時間の睡眠をとるそうです。栄養のある食事と睡眠で、怪我のない徹底した身体づくりを意識しているのでしょう。
 生活習慣を整え、家という安心できる場所から初めての社会である園との「共働」で、これからの時代を生き抜く土台をつくってまいりましょう。
【理事長 結城 由里子】(令和5年4月)
卒園・修了に向けて
 園庭では、つがいのメジロが約束したかのように毎朝やってきて、梅の枝から枝へと飛びわたっています。
かわって、明照の子どもたちは、ますます遊び方も充実して、担任の先生を交えながら、自分のクラスの仲間たちと思い切り遊ぶ姿があちこちで見られます。卒園や進級を控え、子どもたちの昨春からの1年間を振り返りますと、たくさんの場面が思いだされ、感慨深いものがあり、様々な感情が沸き上がります。1年前では見通せなかった活動も、いまはすっかりスムーズに事が進み、子どもたち自身が大きくなったことがうかがえます。
 また、ここ数年の新型コロナウイルスによる行動様式の変化で何かと不自由な思いをしてきましたが、この春以降改善の見通しがたち、社会にも明るい兆しが見え始めています。
 様々な園での活動において、ご不便をかおかけしたことがたくさんありますが、園の行事が円滑に進みましたことは、保護者の皆様、ご家族の皆様のご協力とご理解のおかげであると、深く感謝しています。
そして何よりも私たちは、卒園する子どもたち、修了する子どもたちの、今後の子どもたちの幸せを切に願い、残りの園生活を送ってまいります。ありがとうございました。
【理事長 結城 由里子】(令和5年3月)
一座建立
 寒かったり暖かくなったりと気温の変化が激しく、コロナウイルスやインフルエンザが心配な時期ですが、そんな不安をふきとばすかのような子どもたちの元気な声に、励まされる毎日です。
 そんな中ではありますが、昨日は三年ぶりに、年長児によりお茶会が開催されました。お茶会は初めての経験で、少し緊張気味の子どもたちでしたが、自分に納得がいくまでゆっくりと茶筅を振って、個性豊かなお抹茶が出来上がりました。その、心のこもった丁寧に点てたお抹茶を笑顔で眺めながら、ゆっくりと頂いている保護者の皆様の柔和なお顔を見て、ふと、一座建立の言葉が頭に浮かびました。招いた者と招かれたお客の心が通じ合うと、とても心地よい空間が生まれ、相手を思いやる気持ちが自然と表れる、ということです。
 またそれは、このお茶会のみならず、日頃の園生活において、温かく見守ってくださっているご家族の方々と、そしてそれに応えようとする子どもたちの姿が折々に見受けられ、良い空気、良い空間がおのずとできあがることがわかります。
 子どもたちとお家の方々、そして園と、お互いに共鳴できるこの気持ちを大切に、残りの2ヶ月を大切に過ごしていきたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和5年1月)
 園庭にあるアラカシの木に今年もドングリの実がなっています。外遊びの子どもたちは、一つ一つその実を拾って、宝物のように大事に持っています。ある子どもは、「これ、なくすから持っててね」と言って私にドングリを手渡すと、お友だちと砂遊びを始めました。ドングリはツルツルで、握りしめたその手のぬくもりで温かくなっていました。
 先日、他県の幼稚園に視察研修へ行くご縁がありました。自然豊かな環境にあり、日常の中で森の中へ散歩にでかけたり、自然探検が出来る場所で、園バスを使って自然散策に出かける当園にしてみると、その環境はうらやましく感じるほどでした。裏山にはたくさんのドングリが落ちていますが、常日頃からそれを目にしているからか、誰も拾うことはしていません。土に埋もれたどんぐりがたくさん落ちていました。同じものでも環境によってこうも違うものかと考えながら帰途に着いたのでした。
 先ほどお友だちと砂遊びをしていた子どもが、私に手渡したドングリを回収にきて、大切そうに持って帰ります。
 それぞれの園で、環境の差こそあれ、ただ変わらないのは園庭で遊んでいる子どもたち。明るくはじけるようなその響き渡る歓声は、全く同じものでした。
【理事長 結城 由里子】(令和4年12月)
新時代~明るく照らされた未来~~
 10月9日、曇り空ではありましたが、令和4年度の運動会が挙行されました。
 今年のテーマは「新時代~明るく照らされた未来~~」
 これは、先生たちが、それぞれの学年の子どもたちの思いを考慮し、試行錯誤しながら考えたテーマです。新型コロナウイルスの影響もうけ、不要な外出をしないことを余儀なくされていた子どもたちの春、夏でしたから、何よりも体調管理に神経をそそぎました。それでも、10月に入ると少しずつ体力もつきはじめ、運動会当日はどの学年の子どもたちも活き活きとした演技や競技を見せてくれました。また、ご協力いただきました保護者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
 これから秋もますます深まり、園外保育で戸外へ出かけたり、春に植え付けたサツマイモの収穫、さらに歌声発表会、など様々なスケジュールが目白押しです。子どもたちの気持ちに寄り添い、行事のみに囚われてしまうことのないよう、それぞれの行事が子どもたちにとって意義あるものとして行いたいと思います。
 幸いなことにコロナ禍ではありますが、人の動きも緩和されつつあり、保護者の皆様とも直接お顔を合わせて、互いに考えや思いを伝え合ったりすることが、少しずつ増えてまいりました。
 お子様と、ご家庭の皆様と一体となって~明るく照らされた未来へ~~よりよく前進していきたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和4年11月)
夏 到 来
 小暑を間近に迎え、これから1年で最も暑い季節となります。コロナ禍で2年間中止をしていたプール遊びでは、水しぶきと歓声をあげてお友だちと遊ぶ姿が見られます。この時期に、水の感触を全身で体験させてあげたいと思います。
 さて、間もなく楽しい夏休みが始まります。子どもたちにとっては自由な時間と、大好きな家族と過ごせる夏休みは貴重な思い出の一コマとなることでしょう。長い夏休み、どのようにお過ごしになりますか?最近はキャンプブームのようで、子どもたちの言葉の中に「先週、キャンプにいったんだよ」というお話も耳にします。そこでは、日常と違った体験ができるようで、新しい発見にいきいきと説明をしてくれます。
特に、お手伝いのお話。子どもたちは、大人のお手伝いが大好きです。園でも率先してお手伝いをしてくれます。上手にできたときは自信がつくのか、得意げな表情になります。
 長い夏休みの中、ご家庭でちょっとしたお手伝いの役割分担をされてはいかがでしょうか?キャンプに出掛けたり、外へ出なくても、お皿を並べたり、食材を洗ったり、子どもの状態に応じたお手伝いはコミュニケーションにもなり、子どもたちの達成感にも繋がります。それぞれのご家庭で楽しい夏休みをお過ごしください。
【理事長 結城 由里子】(令和4年7月)
雨ならばこそ
 さわやかな晴天の毎日が続いています。キラキラと輝く太陽の下、子どもたちは思い思いの遊びを見つけて元気よく外遊びを楽しんでいます。園庭のビオトープの親子ガメも気持ちよさそうに甲羅干しをしていて、見ている周りの子どもたちを和ませてくれます。
 さて、そのようなお天気ですが、そろそろ梅雨入りの時期となります。外遊びの回数は減りますが、お部屋の中での遊びや、絵本が活躍する季節になります。子どもたちは絵本が大好き。特に先生の読み聞かせの時間になると、遊びの途中であってもその手を止めて、そばに集まります。そして、絵本を何度も読んでもらうことを期待し、瞳を輝かせながら静かに聞き入っています。しとしととガラス窓をつたう雨音も手伝って空想の世界に浸るにはもってこいの環境が整います。古くから親しまれてきた、よい絵本は、子どもの心に深く刻まれるようです。そして、同じストーリーであったとしても、読み手が変わればまた違った内容に聞こえてくるのも絵本の魅力です。雨の力を借りて、今日も子どもたちとファンタジーの世界を楽しみたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和4年6月)
 『目には青葉、山ほととぎす 初鰹』と言いますように、このような気持ちの良い季節、子どもたちは少しずつ園生活に馴染み、天気のいい日は外遊びを満喫しています。
 外遊びは、各クラスによって時間帯がわかれており、同じクラスの子どもだけではなく、他学年の子どもたちとも触れ合います、年長、年中児になると、興味がわいてきている鉄棒や縄跳び、サッカーなど、昨年から遊びの延長で、ダイナミックな遊びに変わってきています。未就園児、年少児は砂場や滑り台、ダンゴムシ探しなど、初めて仲間と一緒に遊ぶ楽しさを味わっています。
 今の子どもたちの環境は、クラスごと、学年ごとの活動がほとんどですが、異年齢の子どもたちと交わることも子ども同士の関係を深めるきっかけになります。大きいクラスの子どもが小さいクラスの子どもを思いやって、自分を抑制したり、言葉にしなければ相手に伝わらないことに気づき、他者と折り合いをつけたりする学びに繋がってきます。様々な場面に遭遇し、自分なりの解決の糸口を見つけて、子ども同士が育ちあっていくのです。
 今日も園庭では大型こいのぼりが、冴え渡る青空の下、ゆうゆうと泳いで、そんな子どもたちの様子を見守ってくれています。
【理事長 結城 由里子】(令和4年5月)
 山門の前の公園の桜が満開を迎える頃、幼稚園ではいよいよ新年度のスタートとなりました。
 保護者の皆様、ご入園、ご進級、誠におめでとうございます。本年で97年を迎え、4月現在210名の園児と共に1年を歩むことになりました。
 “這えば立て、立てば歩めの親心” この言葉は真に温かい親心によって育てられた我が子に対する有難く尊い心であります。木の上に立って見る親の心は、仏様にも勝ります。慈愛に満ちた思いで育てられた尊い御子様方をお預かりすることは、大変な重責の担い手になります。
 先日、息子夫婦が2歳半になる孫と一緒にチューリップの球根を植える様子を見ることができました。僅かの間に、そっと見てみると3本のチューリップの花が美しく咲いていました。育む喜びは、何事にも変え難いものであると、つくづく感じました。
 今年度、大切な210名の子どもの尊い“いのち”をお預かり致しますが、幼児教育をもとに大切に育んでまいりますので、1年間職員一同、何卒宜しくお願い申し上げます。
【園長 結城 文宏】(令和4年4月)
 早いもので、今年度も残り僅かとなりました。この一年で心も身体も大きく成長した子どもたちの姿が頼もしく感じるこの頃です。
 しかしながら、今年度は子どもたちにも保護者の皆様にも新型コロナの拡大に伴い、たくさんのご協力を賜り、またご不便をおかけいたしました。感染が拡大した際、温かい言葉をメールでいただき、職員皆で涙があふれました。また、様々な貴重なご意見やご教示もいただき、全てありがたく受け止めております。
 感謝の言葉はたくさんありますが、残り1か月を充実した園生活となりますよう、1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。ありがとうございました。
【理事長 結城 由里子】(令和4年2月)
 新型コロナウイルスのオミクロン株が、猛威を奮っています。予定しております数々の行事を変更することを余儀なくされ、私たちといたしましても、もどかしく申し訳ない気持ちです。保護者の皆様のご理解とご協力をありがたく思います。
 そんな大変な中ですが、子どもたち自身は目に見えて成長していることに、ほっと安堵する日々です。昨年末のグランシアで行われた、明照コンサートの大分チェロ軍団による演奏時のことです。チェロの演奏が響き渡ると、一部の園児席からパチパチと拍手が起こり、それはさざ波のように全園児に広がり、波の音はホール全体を包みこみました。受け応えるように笑顔になった演奏者の方々。言葉を発しなくても、拍手という形で応援する子どもたちを中心に、暖かい空気が流れました。
 コロナ禍という厳しい状況にありますが、子どもたちの心の灯は消えることなく灯し続けております。このような素晴らしい子どもたちに出会えたこと、関わることができたことを改めて感謝する次第です。
1月は「行く」2月は「逃げる」3月は「去る」といわれますように短い3学期ですが、1日1日を大切に、中身の濃い充実した園生活を送っていこうと職員一同心を新たにしております。
【理事長 結城 由里子】(令和4年1月)
出会い
 早いもので令和3年を締めくくる月となりました。
 振りかえりますとこの年も昨年と同様に新型コロナウイルスによる感染拡大を抑えつつ、出来ることを精一杯行うという試みで通した年でありました。12月3日に行われる明照コンサートもその一つで、数々の制約がある中、試行錯誤しながら開催予定としております。
 子どもたちが楽しめるコンサートを、と考えたときに、15年前に当園の宇宙組から4年間在籍していた卒園児を思い出しました。
 西田翔さん。現在は東京の高校生で、日本を代表するチェロリストです。彼は、今回コンサートを行ってくださる白沢史子先生に幼少期は師事しており、小学生の時から頭角を現して、若き天才チェロリストと名高い青年へと成長されております。彼にとって、5歳の時にチェロに触れたことは、人生をかえるような大きな出会いだったと思います。
 幼児期の教育は環境の教育です。今回の大分チェロ軍団の方との出会いが今後の子どもたちの成長の一助となればうれしい限りです。会場の座席にはまだ幾分の余裕がございますので、興味を持たれた方はまだ受け付けておりますので、どうぞご参加ください。
【理事長 結城 由里子】(令和3年12月)
運動会を終えて
 澄み切った青空の下で令和3年度の運動会が先日行われました。
コロナウイルスによる外出自粛を余儀なくされた夏休み明けでしたから、暑さに不慣れな子どもたちへの熱中症対策や、感染予防等、様々なことを想定して連日職員で話し合いました。出来、不出来ではなく、子どもたちが仲間とともに楽しく、心地よく参加できているか、今までより少し高い目標を達成できるようにするにはどこまで援助すればいいのか、など考えることはたくさんありました。
 限られた練習時間ではありましたが、大人の心配をよそに、当日はどの学年の子どもも、きりっと引き締まった表情で、しっかりとそれぞれの競技をやり遂げることができました。
 自分自身が掲げた目標を達成することで「やり遂げた」「がんばった」という気持ちが今後の生活の自信につながっていくことと思います。
 山を登らなければ平地は望めない、のことわざにあるようにこれからも活動を通して成長していくことを期待しています。
 保護者の皆様、ご家族様におきましては、コロナウイルスの感染予防の徹底、朝早くからの準備、また競技中の進行、片付けに至るまで細部にわたりご協力いただきまして、感謝を申し上げます。
【理事長 結城 由里子】(令和3年11月)
 「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、夜になると虫たちの声が聞こえるようになり、秋の到来を感じます。いつもの新学期でしたら、夏休み中に行った家族旅行など、外出した思い出話に花が咲くところですが、夏休み中も多くの人が自粛生活に身を置いていたようで、家庭で過ごした一場面を細やかにお話してくれて、ほっと心が和みます。
 そのような中で始まった幼稚園ですが、子どもたちは、二学期の大きなイベント、運動会という目標に向かって元気よく活動しています。どの子どもも、さわやかな風の中、仲間と一緒にのびのびと体を動かして、友だちと切磋琢磨している様子が見受けられます。運動会に限らず、日々の生活や幼稚園での行事等、お友だちや先生との関わりやご家庭での声掛けなどから、子どもたちが「してみたい、やってみよう」と子どもたちが主体性を持って取り組んでいけるように働きかけていきたいと思っております。
 相次ぐ気候変動や取り巻く環境の変化に、沈みがちなニュースを耳にすることが多くなりましたが、子どもたちには笑顔ですごしてほしいと思います。
 今夜は中秋の名月(芋名月)。ご家族で空を眺めてみてはいかがでしょうか。雲のすきまからのぞく月が見えることを願っています。
【理事長 結城 由里子】(令和3年10月)
ミミズ、ただ今ダンスの途中
  昨日、年少さんが雨の合間をにぬって「ふれあい農園」へ散策に出かけました。その10日ほど前には年長児と年中児が訪れ、秋に収穫するためのイモの苗を自ら植え付けて、農園での一日を楽しみました。
 畑の中には、ナスやカボチャ、キャベツにタマネギ、さらに珍しいものはブルーベリーの木。農作業中のおじさんに声をかけて、葉っぱや茎など実際に触らせてもらって子どもたちは大喜びです。また、大きな石をA君が腰を入れて持ち上げると、ダンゴ虫やミミズがニョロニョロ出てきて、ふたたび大きな歓声が上がりました。W君がミミズを捕まえようと指でつかもうとしましたが、ミミズもそう簡単につかまりません。「せんせい、ミミズつかまらん」親指と人差し指で慎重にミミズをつかもうとしますが、手のひらで暴れてこぼれ落ちます。
 「わかった!ミミズ、ダンスの途中なんや!」
ユーモラスなミミズの動きに、みんなが笑顔になりました。
 帰り際、農園の方から200個以上の新タマネギをいただきました。子どもたちと相談して、このタマネギを使ってクッキングをすることに決定しました。こうして先日の年長児によるカレーパーティが行われ、各学年で農園の方と年長さんに感謝して、美味しくいただきました。年長さん、ご馳走様でした!
【理事長 結城 由里子】(令和3年7月)
 今年は例年より19日も早い梅雨入りで、雨の日が続きます。うっとうしいと思われがちなこの時期ですが、この雨のおかげで先日鉢植えしたアサガオやヒマワリが早くも発芽し、傘をさして登園する子どもたちを和ませてくれています。
 子どもたちは、各教室も始まり、またクラスのお友だちとも慣れ、気の合うお友だちや先生と生活体験の中からイメージを作り出して日々の遊びを楽しんでいます。子育て支援クラスの子どもたちは、日常生活(食事、排せつ、手洗い等)の習慣を少しずつ身につけ、体を清潔に保つことの心地よさや、みんなで遊ぶ楽しさを学んでいます。
 年少児は、はじめての武道教室や絵画教室等への参加で、今まで経験したことのない新しい出会いに、新鮮な気持ちで取り組んでいます。年中児は、昨年からの遊びがさらに発展して、考える力や集中する力が増し、他者とのかかわり方がとても上手になっています。年長児は、最年長になった自信と園生活のゆとりも感じさせ、遊びの発展がダイナミックなものになってまいりました。先日お配りした年間指導計画にこれらの遊びによるねらいや、教育課程(禪タオ的な計画)を記しておりますので、お時間のある時にご確認下さい。日々の園生活の中では、遊びながら学び、学びながら遊ぶ。このような子どもの成長や発達にとってとても大切な経験を、環境を通して充実させていきたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和3年6月)
自分の速さで
 先日から行われておりましたクラス懇親会は、年少クラスを最後に滞りなく終えることができました。コロナ禍における懇親会ですが、静かな中にも和やかな雰囲気で、皆様と顔合わせができたことをうれしく思います。お天気にも恵まれて、わずかな時間でしたが、子どもたちの戸外で遊ぶ姿も参観していただき、園でのお子様の様子が少しご理解いただけたのではないかと思います。製作などの活動では、周りの子どもたちとつい比べたくなり、「うちの子は遅い」「みんなが踊っているときに一人だけなにもしていなかった」等の相談をいただきますが、心配には及びません。一人一人の興味の対象は異なっているからです。
 「早くいきたければ一人で進め。遠くに行きたければみんなで進め。」
 アフリカのことわざです。我が子の歩みが遅くても、自分の速さで確かな足取りで進んでほしいと思います。お友だちや、周りのかかわりの中で、高く、遠くへすすんでほしいと願っています。  
【理事長 結城 由里子】(令和3年5月)
ようこそ、明照幼稚園へ
 園庭の色とりどりの花が、皆様が来ることを、いまかいまかと待ちわびております。
この度はお子様の御入園・御進級おめでとうございます。
明照幼稚園では、「あかるく ただしく なかよく」を教育理念に置き、大切なお子様をお預かりいたします。ご家庭から物心がついて、初めての社会生活となるお子様もいらっしゃることと思います。  幼稚園で多くの人と関わり、仲間と一緒に楽しく遊ぶことを知り、しっかりとした社会性が身についてゆきます。トラブルもあれど、それは子どもの育つチャンスです。様々な経験を通じてたくましく、大きくなってほしいと願っています。
 また、今年度も新型コロナウイルスの感染拡大が予断を許さない状況です。園では、感染対策の徹底を励行しております。どうぞ、安心されてお子様を送り出されて下さい。
1年間、よろしくお願いいたします。
【理事長 結城由里子】(令和3年4月)
無尽蔵 ~可能性を求めて~
 先日、2月15日は、園児・教職員約250名が本堂に入堂し、涅槃会が奉修されました。
お釈迦様の入滅された命日であります。園では、4月8日(旧暦5月8日)生誕の花まつり、12月8日、お悟りで教えを開いた(35才)成道会、2月15日、入滅された(80才)涅槃会と3回の行事を厳粛に行っています。
 その日は、本堂の仏様にお参り、お釈迦様の法話、パネルシアターと約40分の時間を有意義に過ごします。4学年で静かな時間の中に心のあり方を学ぶわけであります。お釈迦様の生涯を心の拠り所として、生まれることの尊さ、悟りへの願い、限りある命との向き合いを教えています。
 無尽蔵に入る子どもたちの“こころ”は、終わることのない可能性を秘めています。形のある体は、バランスの良い食生活と運動によって成長し、頭の知識は勉強や環境によって磨かれます。一番大切な“こころ”は、教えや信じることで智恵となり、生涯が喜びに変わります。
 園生活も一年の最後となりました。今後、毎日を知り(学ぶ)恵まれる(愛される)知恵によって無尽蔵に心を備えて頂きたいと思います。未来の子どもたちを大切に育て、喜びに満ちた日々を過ごすことを願い、苦しい時も悲しい時も教えの中で喜びや楽しさに変えるだけの“こころ”を育んで下さい。 
【園長 結城 文宏】(令和3年3月)
 生垣の山茶花が、今年も寒さ知らずで満開です。園庭では、子どもたちの元気な声が響き、園内は不思議と温かさを感じるこの頃です。
それでもまだまだ寒い日が続きます。手洗い、うがいを徹底して、感染症対策を引き続き行っていきたいと思います。
 3学期に入り、各学年の園生活も2か月あまりとなりました。様々な活動を通してできることが増え、また、出来なくてもそれに向かって努力する姿が見受けられ、一人一人に目に見える成長を感じます。どんな状況下にあろうとたくさんのことに日々挑戦して、前を向く子どもたちは、たくましく、頼もしく思います。
 当たり前だと思っていたことがそうではなくなった今、今まで気づかなかった子どもたちの育ちや、周りの環境がとてもよく見えるようになってきました。また、学年の垣根を越えて先生たち同士が協力しあい、全体で子どもたちを見ることが出来ることも、この状況におかれたからなのでは、と改めて感じます。今後、残すところの大きな行事の発表会も、合唱の禁止など制約がありますが、出来ることに最善を尽くして行っていこうと考えています。
 先日の年長児のお茶会ですが、そろりそろりと畳の上を歩く子どもたちの背筋がピンと伸び、とても大きく見えました。今年は丑年。そろりそろりと牛の歩みのように遅くとも、一歩一歩確実に、進んでいくことを願ってやみません。
【結城 由里子】(令和3年1月)
【令和2年へ】