園庭にあるアラカシの木に今年もドングリの実がなっています。外遊びの子どもたちは、一つ一つその実を拾って、宝物のように大事に持っています。ある子どもは、「これ、なくすから持っててね」と言って私にドングリを手渡すと、お友だちと砂遊びを始めました。ドングリはツルツルで、握りしめたその手のぬくもりで温かくなっていました。
 先日、他県の幼稚園に視察研修へ行くご縁がありました。自然豊かな環境にあり、日常の中で森の中へ散歩にでかけたり、自然探検が出来る場所で、園バスを使って自然散策に出かける当園にしてみると、その環境はうらやましく感じるほどでした。裏山にはたくさんのドングリが落ちていますが、常日頃からそれを目にしているからか、誰も拾うことはしていません。土に埋もれたどんぐりがたくさん落ちていました。同じものでも環境によってこうも違うものかと考えながら帰途に着いたのでした。
 先ほどお友だちと砂遊びをしていた子どもが、私に手渡したドングリを回収にきて、大切そうに持って帰ります。
 それぞれの園で、環境の差こそあれ、ただ変わらないのは園庭で遊んでいる子どもたち。明るくはじけるようなその響き渡る歓声は、全く同じものでした。
【理事長 結城 由里子】(令和4年12月)
新時代~明るく照らされた未来~~
 10月9日、曇り空ではありましたが、令和4年度の運動会が挙行されました。
 今年のテーマは「新時代~明るく照らされた未来~~」
 これは、先生たちが、それぞれの学年の子どもたちの思いを考慮し、試行錯誤しながら考えたテーマです。新型コロナウイルスの影響もうけ、不要な外出をしないことを余儀なくされていた子どもたちの春、夏でしたから、何よりも体調管理に神経をそそぎました。それでも、10月に入ると少しずつ体力もつきはじめ、運動会当日はどの学年の子どもたちも活き活きとした演技や競技を見せてくれました。また、ご協力いただきました保護者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
 これから秋もますます深まり、園外保育で戸外へ出かけたり、春に植え付けたサツマイモの収穫、さらに歌声発表会、など様々なスケジュールが目白押しです。子どもたちの気持ちに寄り添い、行事のみに囚われてしまうことのないよう、それぞれの行事が子どもたちにとって意義あるものとして行いたいと思います。
 幸いなことにコロナ禍ではありますが、人の動きも緩和されつつあり、保護者の皆様とも直接お顔を合わせて、互いに考えや思いを伝え合ったりすることが、少しずつ増えてまいりました。
 お子様と、ご家庭の皆様と一体となって~明るく照らされた未来へ~~よりよく前進していきたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和4年11月)
夏 到 来
 小暑を間近に迎え、これから1年で最も暑い季節となります。コロナ禍で2年間中止をしていたプール遊びでは、水しぶきと歓声をあげてお友だちと遊ぶ姿が見られます。この時期に、水の感触を全身で体験させてあげたいと思います。
 さて、間もなく楽しい夏休みが始まります。子どもたちにとっては自由な時間と、大好きな家族と過ごせる夏休みは貴重な思い出の一コマとなることでしょう。長い夏休み、どのようにお過ごしになりますか?最近はキャンプブームのようで、子どもたちの言葉の中に「先週、キャンプにいったんだよ」というお話も耳にします。そこでは、日常と違った体験ができるようで、新しい発見にいきいきと説明をしてくれます。
特に、お手伝いのお話。子どもたちは、大人のお手伝いが大好きです。園でも率先してお手伝いをしてくれます。上手にできたときは自信がつくのか、得意げな表情になります。
 長い夏休みの中、ご家庭でちょっとしたお手伝いの役割分担をされてはいかがでしょうか?キャンプに出掛けたり、外へ出なくても、お皿を並べたり、食材を洗ったり、子どもの状態に応じたお手伝いはコミュニケーションにもなり、子どもたちの達成感にも繋がります。それぞれのご家庭で楽しい夏休みをお過ごしください。
【理事長 結城 由里子】(令和4年7月)
雨ならばこそ
 さわやかな晴天の毎日が続いています。キラキラと輝く太陽の下、子どもたちは思い思いの遊びを見つけて元気よく外遊びを楽しんでいます。園庭のビオトープの親子ガメも気持ちよさそうに甲羅干しをしていて、見ている周りの子どもたちを和ませてくれます。
 さて、そのようなお天気ですが、そろそろ梅雨入りの時期となります。外遊びの回数は減りますが、お部屋の中での遊びや、絵本が活躍する季節になります。子どもたちは絵本が大好き。特に先生の読み聞かせの時間になると、遊びの途中であってもその手を止めて、そばに集まります。そして、絵本を何度も読んでもらうことを期待し、瞳を輝かせながら静かに聞き入っています。しとしととガラス窓をつたう雨音も手伝って空想の世界に浸るにはもってこいの環境が整います。古くから親しまれてきた、よい絵本は、子どもの心に深く刻まれるようです。そして、同じストーリーであったとしても、読み手が変わればまた違った内容に聞こえてくるのも絵本の魅力です。雨の力を借りて、今日も子どもたちとファンタジーの世界を楽しみたいと思います。
【理事長 結城 由里子】(令和4年6月)
 『目には青葉、山ほととぎす 初鰹』と言いますように、このような気持ちの良い季節、子どもたちは少しずつ園生活に馴染み、天気のいい日は外遊びを満喫しています。
 外遊びは、各クラスによって時間帯がわかれており、同じクラスの子どもだけではなく、他学年の子どもたちとも触れ合います、年長、年中児になると、興味がわいてきている鉄棒や縄跳び、サッカーなど、昨年から遊びの延長で、ダイナミックな遊びに変わってきています。未就園児、年少児は砂場や滑り台、ダンゴムシ探しなど、初めて仲間と一緒に遊ぶ楽しさを味わっています。
 今の子どもたちの環境は、クラスごと、学年ごとの活動がほとんどですが、異年齢の子どもたちと交わることも子ども同士の関係を深めるきっかけになります。大きいクラスの子どもが小さいクラスの子どもを思いやって、自分を抑制したり、言葉にしなければ相手に伝わらないことに気づき、他者と折り合いをつけたりする学びに繋がってきます。様々な場面に遭遇し、自分なりの解決の糸口を見つけて、子ども同士が育ちあっていくのです。
 今日も園庭では大型こいのぼりが、冴え渡る青空の下、ゆうゆうと泳いで、そんな子どもたちの様子を見守ってくれています。
【理事長 結城 由里子】(令和4年5月)
 山門の前の公園の桜が満開を迎える頃、幼稚園ではいよいよ新年度のスタートとなりました。
 保護者の皆様、ご入園、ご進級、誠におめでとうございます。本年で97年を迎え、4月現在210名の園児と共に1年を歩むことになりました。
 “這えば立て、立てば歩めの親心” この言葉は真に温かい親心によって育てられた我が子に対する有難く尊い心であります。木の上に立って見る親の心は、仏様にも勝ります。慈愛に満ちた思いで育てられた尊い御子様方をお預かりすることは、大変な重責の担い手になります。
 先日、息子夫婦が2歳半になる孫と一緒にチューリップの球根を植える様子を見ることができました。僅かの間に、そっと見てみると3本のチューリップの花が美しく咲いていました。育む喜びは、何事にも変え難いものであると、つくづく感じました。
 今年度、大切な210名の子どもの尊い“いのち”をお預かり致しますが、幼児教育をもとに大切に育んでまいりますので、1年間職員一同、何卒宜しくお願い申し上げます。
【園長 結城 文宏】(令和4年4月)
 早いもので、今年度も残り僅かとなりました。この一年で心も身体も大きく成長した子どもたちの姿が頼もしく感じるこの頃です。
 しかしながら、今年度は子どもたちにも保護者の皆様にも新型コロナの拡大に伴い、たくさんのご協力を賜り、またご不便をおかけいたしました。感染が拡大した際、温かい言葉をメールでいただき、職員皆で涙があふれました。また、様々な貴重なご意見やご教示もいただき、全てありがたく受け止めております。
 感謝の言葉はたくさんありますが、残り1か月を充実した園生活となりますよう、1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。ありがとうございました。
【理事長 結城 由里子】(令和4年2月)
 新型コロナウイルスのオミクロン株が、猛威を奮っています。予定しております数々の行事を変更することを余儀なくされ、私たちといたしましても、もどかしく申し訳ない気持ちです。保護者の皆様のご理解とご協力をありがたく思います。
 そんな大変な中ですが、子どもたち自身は目に見えて成長していることに、ほっと安堵する日々です。昨年末のグランシアで行われた、明照コンサートの大分チェロ軍団による演奏時のことです。チェロの演奏が響き渡ると、一部の園児席からパチパチと拍手が起こり、それはさざ波のように全園児に広がり、波の音はホール全体を包みこみました。受け応えるように笑顔になった演奏者の方々。言葉を発しなくても、拍手という形で応援する子どもたちを中心に、暖かい空気が流れました。
 コロナ禍という厳しい状況にありますが、子どもたちの心の灯は消えることなく灯し続けております。このような素晴らしい子どもたちに出会えたこと、関わることができたことを改めて感謝する次第です。
1月は「行く」2月は「逃げる」3月は「去る」といわれますように短い3学期ですが、1日1日を大切に、中身の濃い充実した園生活を送っていこうと職員一同心を新たにしております。
【理事長 結城 由里子】(令和4年1月)
【令和3年へ】